ジェネラル・ルージュの凱旋 | Book Review’S ~本は成長の糧~

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋 ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂 尊

宝島社 2007-04-07
売り上げランキング : 1120
おすすめ平均

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★★★★★★★★★☆



ゴールデンウィークも折り返しですね。日曜日に実家に帰ってきて以来、ゴロゴロ過ごしています。読書して、散歩して、家に帰るとご飯とお風呂が待っている。実家暮らしはどうしても甘えてしまいますね。おかげさまで体調は良好です。

さて、本日の一冊は待ちに待った海堂尊さんの続編です。本作は「ナイチンゲールの沈黙」と「螺鈿迷宮」の舞台と同じ時系列で違うストーリーが進行していきます。田口先生、実はこんなにも活躍していたんですね。。。

「チーム・バチスタの栄光」の黄色、「ナイチンゲールの沈黙」の青、そして「ジェネラル・ルージュの凱旋」の赤。シリーズ通してタイトルもカラーも統一感があって素敵です。前作まで読んでいなかった人も、読んでから時間が経ってしまった人にもわかりやすく(というよりそうしないと時系列が同じ説明がしにくい)、書かれています。

今回の主役はオレンジ病棟の部長、速水先生。しびれるほどのカッコ良さ。火喰い鳥、白鳥もたじたじになってしまうぐらいのキレの良さ。田口先生も1作目からは考えられないほど成長しています。

そして、助演として氷姫こと白鳥の部下の姫宮が活躍。これは「螺鈿迷宮」を読んでいると、さらに楽しめます。

それぞれのキャラクターがしっかりとしていて、役割も分担されている。会話も「エンターテインメント小説」というジャンルに相応しいカルさでテンポよく読み進めます。

仕事で病院とはよくかかわるのですが(MRほどではない)、小説の背景がある程度わかるので、面白いなと感じるとともに、これは著者が小説を通して医療界にこっそりとメッセージを伝えようとしている様に印象を受けました。といっても、僕も医療業界についてかじっている程度なので、間違っているかもしれないですが。

病院内での権力争いの描写は楽しめますよ。あっという間に時間が過ぎてしまう小説ですので、旅先でのお供には最適ではないでしょうか。