一瞬の風になれ 第二部 --ヨーイ-- | Book Review’S ~本は成長の糧~

一瞬の風になれ 第二部 --ヨーイ--

一瞬の風になれ 第二部 一瞬の風になれ 第二部
佐藤 多佳子

講談社 2006-09
売り上げランキング : 328
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
★★★★★★★★☆☆



今日も引き続き、「一瞬の風になれ」の感想です。第一部が「起承転結」の「起」であるとすれば、第二部は「承」と「転」を担当していると思います。

新二も連も一年を乗り越えて、成長する。でも、まだ届かない上のレベルの世界。それぞれが互いに課題を抱えながら、切磋琢磨し練習に励んでいく。

そして、「転」にあたる大きなアクシデント。ネタバレになるため、少しだけでも触れることはできないですが。

こんなに感受性が豊かで、真っ直ぐな人間がいるのだろうか?とビックリしてしまうぐらいに新二はひたむきに物事を捉え取り組んでいきます。時には引っ張られ、時には引っ張りながら互いの力を高めあっていく新二と連。

新二の心理描写があまりにも多いことも第二部になると次第に慣れてきて、作品の中に引き込まれていきます。それでもまだまだパンチは足りない感じ。まさか、第三部のために全てのエネルギーを読者に溜め込ませているなんて、第二部を読んでいる時には予想もしていませんでした。

第二部あたりから、ライバル”仙波”と”高梨”が活躍してきて、同級生の”根岸”も、後輩の”桃内”もいい味を出してきます。そして、新二の恋心は明確になっていきます。

第三部まで読み終えた状態ではさらに第二部だけを切り取った感想というものは書けないですが、きれいに三冊がまとまっている良書です。そういう意味でも第二部のもつつなぎとしての役割は非常に高いのではないかと思います。

さっぱりと、第一部・第二部と感想を書いたので、第三部の感想では自分の高校時代を振り返りながらもう少し自分の言葉で書きたいと思います。