Book Review’S ~本は成長の糧~ -31ページ目

3月14日~20日

03月14日 四日間の奇蹟   ★★★★★★★★★★

03月15日 バッドラック   ★★★★★★★★★☆

03月16日 パーフェクト・プラン   ★★★★★★★★★★

03月17日 イノベーション・マネジメント   ★★★★★★★★☆☆

03月18日 読書力   ★★★★★★★★★☆

03月19日 リクルート式・一瞬~   ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

03月20日 ビッグボーナス   ★★★★★★★☆☆☆

ビッグボーナス



著者: ハセベ バクシンオー
タイトル: 宝島社文庫「ビッグボーナス」
★★★★★★★☆☆☆



「このミステリーがすごい!」の第1・2回大賞受賞作品がとてもよかったので、はまってしまいました。ということで、BOOK OFFで探し当て「沈むさかな」と第3回大賞受賞作品以外は集めました。まず手に取ったのが「ビッグボーナス」です。なんかタイトルの響きがよかったので(笑)

◆あらすじ◆

◆感想◆

更新は夜になりそうです。中途半端な投稿ですみません!

リクルート式・一瞬で人事担当者の心をつかむ方法



著者: 細見 昇市
タイトル: リクルート式・一瞬で人事担当者の心をつかむ方法
★★☆☆☆☆☆☆☆☆


読書力



著者: 齋藤 孝
タイトル: 読書力
★★★★★★★★★☆



三色ボールペン情報活用術を読んでから斎藤孝さんの密かなファンになってしまっています(笑)最近「~力」という本を立て続けに出版されている斎藤孝さんですが、その中でも初期の「~力」と思われるこの本から入ってみることにしました。

◆内容というより感想◆

読書の素晴らしさを「これでもか!」と言うまでに前面に押し出した一冊です(笑)最近の読書離れへの危惧から始まり、なぜ読書をすることが大切なのかさまざまな視点から書かれています。

さまざまな視点から書かれているといっても、あくまでも作者の経験に基づいた考えであり、その部分で共感できない人は「押し付けられた」印象を受けるかもしれません。しかし、読書好きな人、漠然とだけど本を読む必要があると感じている人にとってはオススメの一冊です。

ただなんとなく本を読むことが好きで、好きなジャンルばかり読んでいた人(僕です)には、新しい読書の意味を提示してくれて視野が広がること間違いなしです。読書に対する違った楽しみ方が見つかるのではないかと思います。

最後に三色ボールペン活用について触れているところが好きです。斎藤さんはどの本でも書いているのではないかと思います。そこまで確固とした自信を持って勧めることの出来るのがステキです。作者の場合は、決して独りよがりではなく、多くの人に共感・支持されているからこそここまで勧められているのだと思います。

ただ、僕は自分で買った本であっても、よっぽどのことがない限り線を引くことはしていません。付箋ですましています。貧乏性の性ですね(笑)

◆引用とコメント◆

なぜ読書をした方がよいのかという問いに対して、「言葉を多く知ることができるからだ」という答えは、シンプルなようだがまっとうな答えだ。

まさにシンプルだけど的を得た回答だと思います。僕は中学時代、ファンタジー小説に走っていて、お世辞にも良い読書スタイルとは言えなかったのですが、大学に入ってすぐよりも語彙力があったような気がします。ということは、今はリハビリ期間ですね(ノ◇≦。)

重要なことは、読書を通じて、自分の体験の意味が確認されるということだ。

自己啓発やビジネス書を読んでいる時に、よくこの現象が起こります。そういう時に豊富な経験をしていてよかったと思うと共に、その本の理解度が高まっているのを自覚します。小説でも同様の経験はできるはずです。登場人物と同じ心境になったり、同じ行動を取ったり、など。新しい発見で視野を広げるだけではなく、過去の経験を掘り返し固めることでも視野は広がるんでしょうね。

付箋は便利なものだ。付箋をたくさん貼りたくなる本は、自分にとって大事な本だ。

付箋について触れてくれていました(笑)付箋は本当に便利ですよー。貼ったページがすぐに開けたり、手にとって開くまでもなくどれくらい共感・関心を持った本なのか確認できたりします。もし売ることになっても、はがせばいいだけなのでオススメです(^o^)

読書を楽しむための1つのゲームとして、読書クイズを作ると書いていました。その本にまつわるクイズを考えるというシンプルなものです。シンプルですが、クイズを作る意識を持って読むことで集中力があがる上に、クイズを出された側もその本に関心を持つきっかけになると思いました。ということで、今日から読書クイズの実践ですヾ(〃^∇^)ノ

◆読書クイズ◆*答えは載せませんw

1.読書によって向上するスキルは何か?
2.作者の考える「読書力がある」とは?

斎藤孝さんの本は僕にとてもフィットします☆「三色ボールペンで読む日本語」も図書館で借りているので、楽しみです。今気になっているのは「段取り力」です。段取りとかプランニングが苦手なので・・・。

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イノベーション・マネジメント



著者: 日本LCA
タイトル: イノベーション・マネジメント―個が活きる経営・個を伸ばす経営
★★★★★★★★☆☆



ただいま、この会社の選考を受けています。この本を手に取ったのは、受けるからではなくてイノベーションという言葉に興味があったからです。サブタイトルの「個が活きる経営・個を伸ばす経営」にも惹かれました。

◆内容◆

会社の名前で出している本なので、会社の宣伝になるようなことばかり書かれているのかと思ったのですが、そうではありませんでした。

イノベーションが発揮される職場とはどのような職場なのかを論じた上で、取材企業を取り上げて説明されています。EDコントライブ、小林製薬、タカラ、ブラザー工業など、具体例と共に説明されているのはとても説得力があります。

この本ではイノベーションを発揮する職場にするために、最も重要なのは人事・HR(Human Resource)だという視点から書かれています。切り口が絞られていることで、知識がなくても内容を理解しやすくなっています。

雇用制度が変化して人事の見直しが各企業で行われている中、本当に人事部は必要ないのか、自分の会社に合った人事制度はどれなのかを考えることが大切ということでしょうか。イノベーティブな企業の紹介を読んでいて、社会経験のない僕もそういう会社で働いてみたいと思いました。

最後には日本LCAの手法が紹介されています。それまでが、自社のことに全く触れずにイノベーションと人事について書かれているので、嫌味などころか自然に頭に入ってきました。この本のまとめ、すなわち最も伝えたいこと=日本LCAの手法(と考えました)がとても上手く書かれていると思いました。

◆引用とコメント◆

トップと社員の信頼関係はイノベーション創出のための鍵と言っても過言ではない。信賞必罰ならぬ「信賞必誉制度」があり、徹底的に社員の創造力を発散させるのである。

組織においてイノベーションを発揮するためには必要不可欠な要素だと感じました。トップと社員の信頼関係から始まり、組織全体で信頼関係が生まれる。ここでの信頼関係の構築には、「チャレンジによる失敗を認める(許す)こと」が深く関係していると思います。サークル活動でしか組織を体験していない学生でも感じるということは、会社に入るとさらに実感しそうです。

柔軟に「人と違ったものの見方」ができる人材は、絶対に不可欠である。「人と違ったものの見方しかできない人間」のことではない。それは知的好奇心が旺盛なのではなく、「偏屈」もしくは「あまのじゃく」と表現すべき存在である。

「人と違ったものの見方」をすることを心掛けている、というよりもの癖ようになってしまっている僕としては心掛けておかないといけないポイントだと思いました。あまのじゃくに成り切れていない中途半端なあまのじゃくだから大丈夫かもしれませんが(苦笑)

チャンスを与えられることによって周囲の期待感を実感することができる。周囲または自分でさえも認識していなかった能力を発揮するものである。

人は期待されると限界以上の力を発揮する可能性が高くなる気がします。もちろんそれには個人差があると思いますが、チャンスを目の前にしてやる気の起きない人はダメですよね(^-^;自分自身がチャンスを掴み取る能力を鍛えることが大切ですが、それと共にチャンスを与えられる組織は強いと思います。

「新しいものは多様性の中から生み出される」

この本の中で一番共感した部分かもしれません。自分の考えが肯定されたような感じです(笑)当たり前の考え方なのかもしれませんが、1つの組織で活動しているとどうしても価値観や思考が似てきてしまいます。健全な組織を保つために、適度な新陳代謝が必要なのはその為なんでしょうね。

ビジネス書の感想はやっぱり難しいです(^-^;アマゾンの書評などを参考にすることがあるのですが、上手くまとめる人は本当に簡潔でわかりやすいのでそういう人たちの文章を見て勉強していきます。

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パーフェクト・プラン



著者: 柳原 慧
タイトル: 宝島社文庫「パーフェクト・プラン」
★★★★★★★★★★



第1回「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作「四日間の奇蹟」が良かったので、第2回の受賞作である「パーフェクト・プラン」も買ってしまいました。ノンストップ・誘拐ミステリーと言うだけあって、すごいスピード感であっという間に読み終えてしまいました。

◆内容◆

身代金ゼロ!せしめる金は億円!

というステキな合言葉の誘拐事件です。誘拐事件とも言わない面白い発想のやり方でお金を手に入れます。

個性豊かな歌舞伎町混成チームが、虐待されている子供を保護しつつ見事に5億円ゲットしてしまいます。誘拐事件にならないように細心の注意を払いながら、結局最後の最後でドンデン返しがあって、話が二転三転します。前半と後半で違った楽しみ方ができます。

今流行のバイオテクノロジーITオンライントレードなどなど話題をこれだけ盛り込んだ上で、上手くまとめ上げた作者はすごいです。専門的な知識を持っている人にとっては、浅いと馬鹿にされるかもしれませんが、そういうのを抜きにして楽しめる人にはもってこいです。

この作品も「四日間の奇蹟」と同様に本格的ミステリーとは一線を画しています。どちらかというと、具沢山なエンターテイメント性の高い読み物です。「このミス」大賞ということで、ミステリー性を期待して読むとがっかりするかもしれません。

◆感想◆

5億円を手に入れるまではどちらかというとサッパリと書かれています。こんな手口があるのか!なんて思いながら読んでいたので、それなりに楽しかったのですが、作者が本当に伝えたいことは後半に詰まっていたのではないかと思います。

最新のテクノロジーを駆使してストーリーは展開していきますが、それよりも見所は人と人とのつながり、家族の絆の方でしょう。歌舞伎町混成チームだけでなく、自閉症の子供、その子供を虐待する母親、引きこもりでパソコンマニアの男などなど人間関係に問題を抱えた人物が沢山登場します。

それぞれの登場人物が人のぬくもりを求めて右往左往しています。結末ではハッピーになった人もなれなかった人もいますが、全員家族の温かさに気付き和やかな雰囲気を出しています。

ボリューム満点というよりは本当に具沢山という言葉がピッタリの作品です。トピックも登場人物ももっと掘り下げたら2倍以上の内容になってしまうかも。文庫版は安いし、読んでみて損はしないですよ(^o^)

「このミス」を連続で読んでみて思ったのは、はずれはないということです。確かにミステリー要素は少ないかもしれませんが、評価の視点がそれだけではなく、作品としての純粋な面白さに重点をおいた評価をされているところは◎だと思います。

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バッドラック



著者: 水野 敬也
タイトル: バッドラック
★★★★★★★★★☆



この本はインターネット上で探しても全く出てきません。発行日が3月31日となっているからでしょうか・・・。書店では普通に売っているのに(^-^;アマゾンで見つかり次第リンクを貼ろうと思います。*アマゾンで出てきました!!

◆内容◆

めちゃくちゃ簡単にストーリーを説明すると2人の小さな神様が暇つぶしに1人の人間を不幸にして楽しもうというところから始まります。その不幸の1日を過ごすことになった不幸な人物が主人公のアレックスです。

彼の史上最悪の1日のスケジュールは

AM10:00 アレックス、目覚まし時計が止まる。
AM11:00 アレックス、上司にいじめられる。
AM11:30 アレックス、仕事で大失敗をして大恥をかく。
PM 2:00 アレックス、円形脱毛症になる。
PM 3:00 アレックス、会社をクビになる。
PM 4:30 アレックス、殴られる。
PM 6:00 アレックス、詐欺に遭う。
PM 8:00 アレックス、自宅が火事になる。
PM10:00 アレックス、死亡する。


となっています。不幸すぎます。

この本が伝えたいことはなんだろう?と疑問に持ちながら読み始めました。一言で説明しろと言われれば、生き方講座となります。プラス思考やポジティブシンキングに関係してくるのですが、これを実践できる人はまずいないでしょう。

とにかく最初から最後までエキセントリックです。爆笑してしまいます。友達にも読んでもらったのですが、僕と同様に笑いまくっていました。笑いのツボに1つでもはまるようなら、最後まで楽しく読める1冊です。しかし、アレックスが死んでしまう時には情が移って悲しくなりますが(^-^;

「ウケる技術」の作者の水野敬也さんが著者なので、アメリカンジョークもどこか日本風味です。お勧めは、すし土下座です。

◆感想◆

この本を購入した理由の1つが帯に書かれている文章です。話題の人である、livedoor社長の堀江さんが「今年、一番買収したい本」と書いています。読み終えた後も意味がわかりません。むしろ読む前よりも、この言葉の真意がつかめなくなってしまいました。ジョークだとしたらあまりにも世間をバカにしている気がしました。そういうところがほりえもんのウリなのかもしれませんが・・・。

僕は自分ではプラス思考の楽観的なタイプの人間だと思っているのですが、アレックスには負けてしまいます。同じシチュエーションに遭ったら、さすがに耐え切れません。

各章にわかりやすい言葉でアレックスの行動の意味を小さな神様が解説してくれています。そのためどういうことなのか理解することができますが、この本は巷に溢れているHOWTO本とは一線を画しています。どちらかというと軽い気持ちで読む娯楽的な読み物として捉えた方がいい感じです。

神は、人を不幸にすることも幸福にすることもできない。ただ、出来事を起こすだけ。

この言葉は最後に小さな神様が語る言葉なのです。この言葉を頭の隅に置きながら読むと気付きが増えて、面白く読むことができるかもしれません。個人的にここまで他人に読んでほしいと思った本は久しぶりなので、まわりの友達に嫌がられても読ませたいと思います(笑)

「ウケる技術」はまだ読んでいないのですが、読みたくなってしまいました。アマゾンでこの本を検索しても出てこないのが本当に謎です。水野敬也さんのホームページを載せておきます。

水野敬也のウケる日記

[本・読書ランキング]

四日間の奇蹟



著者: 浅倉 卓弥
タイトル: 四日間の奇蹟
★★★★★★★★★★



この本は岩手の大学の友達にすすめられました。すすめられたのは3ヶ月程前で古本屋さんですぐに購入していたのですが、読まずにおいていました。最近の異常なまでの読書量もビジネス書が多かったので、気分転換のために軽い気持ちで読んでみようって感じでした。

いつものブログの書き方で内容を書いてしまうとこの本の魅力が8割以上殺がれてしまうので、今回はこの本に関連する情報と感想を書きたいと思います。

◆情報◆

1つ目
この本は第1回「このミステリーがすごい! 」大賞・大賞金賞受賞作です。現在、「このミス」は第3回まで行われています。最近も書店で第2回受賞作の「パーフェクト・プラン」は文庫本が目立つところに置かれていますね。

2つ目
今年の6月に映画化されるようです。さっき調べていて初めて知りました。読み終えてから知ることができて個人的に満足です(笑)「世界の中心で愛をさけぶ」「いま、あいにいきます」に続く3作目の恋愛映画として上映されるようです。
こちら→四日間の奇蹟映画化

3つ目
映画化を記念して、3月17日から首都圏、関西圏でキャンペーンが行われます。詳しくは本を読んでもらえればいいのですが、この作品はクラシックミュージックと関係性が高いのでキャンペーンプレゼントはCDとなっています。
こちら→『四日間の奇蹟』フェア開催

◆感想◆

まず、自分がこの本を読んだタイミングに自分で驚いてしまいました。池谷さんの「進化しすぎた脳 」と「海馬/脳は疲れない 」を続けて読んで、脳について少しの知識と関心を持ち始めていた時に、この本はグッドタイミングでした。詳しくはあまり書けないのですが、脳や心が深く関わってきます。この作品を読む前に1冊読んでおくのもありだと思います。

ストーリーの展開はありきたりと言われれば、その通りかもしれません。これをミステリーと呼んでいいのか?と読後に疑問に持たれる方もいると思います。審査員の方もあとがきでそのことに触れているので、なぜ大賞で選ばれたのか気になる人も納得できるかなぁ?と思います。ただ、泣けるかと言われれば狙っているわりにはあまり泣けない作品かもしれません(苦笑)

しかし、この本の魅力は新人とは思えない素晴らしい描写力にあります。前半はストーリの動きも少ないのですが、飽きることなく読むことができ気づけばストーリーが大きく動き出しているという印象です。伏線の張り方が上手いというのでしょうか。とにかく惹きこまれました。

登場人物は全ていい人ばかりです。それだけで心温まります。主人公とヒロインだけにスポットライトが当てられるのではなく、もっと多くの人が活躍します。ヒロインも1人ではありません。1人1人の感情、表情が豊かに表現されています。主人公のヒロインの呼び方が苗字から名前に変化する時など「狙いすぎだろ!作者!」なんて突っ込みたくなるぐらいでした(笑)

心はどこにあるのか?
本当の幸せとは?
生きるってどういうこと?


などなど多くのことを考えさせてくれる作品でした。ほとんどストーリーの内容について触れずに作品の魅力を伝えようなんて、僕の文章力では無茶でしたが興味を持ってもらえたらなぁって思います(^o^;読後の清涼感を味わいたい人にはオススメです☆

タイトルの4日間の奇蹟とはどういうことなのか、あなた自身の目で確かめてください♪

今日と明日は東京なので今もネットカフェからブログを書いています。明日は本を紹介できるかわかりませんが読んではいますので、できなかったら次の日に2冊紹介したいと思います。

[本・読書ランキング]

3月7日~3月13日

03月07日 会社が放り出したい人・1億~   ★★★★★★★☆☆☆

03月08日 プロが教える問題解決と戦略スキル   ★★★★★☆☆☆☆☆

03月09日 進化しすぎた脳   ★★★★★★★★★☆

03月10日 プロフェッショナリズムの覚醒   ★★★★★★★★★☆

03月11日 豆炭とパソコン   ★★★★★★★★★★

03月12日 海馬/脳は疲れない   ★★★★★★★★☆☆

03月13日 銀行員諸君!   ★★★★★★☆☆☆☆

銀行員諸君!



著者: 江上 剛, 須田 慎一郎
タイトル: 銀行員諸君!
★★★★★★☆☆☆☆



この本は先輩にすすめられました。先輩はこの本を実際に去年、銀行にいこうと迷ってるときに読んだということだったので、具体的にどのような仕事をしているのか、会社の実情がわかりにくい銀行を知るのに役立つと思い呼んでみました。

◆内容◆

元みずほ銀行支店長だった江上剛さん(ペンネーム)と金融ジャーナリストの須田慎一郎さんの対談形式で江上さんの銀行員時代を振り返りながら、銀行について書かれています。

銀行員26年間を振り返るということで、バブルからバブル崩壊の苦労、合併後のこれからまでという内容の濃い経験談が語られています。そして最後には、これからの銀行、銀行員へ向けてメッセージが書かれています。経験してきた人のメッセージは説得力がありました。

この本一冊を読んだだけでの推測になるのですが、江上さんは誠実で実行力があり道を切り開いていく力を持った力強い人という印象を受けました。江上さんは何となく入ってしまった第一勧銀で活躍し、私大卒では異例の順調な昇格をしていきます。支店での各業務から、広報、人事、総務、支店長まで勤めた銀行員生活はとても勉強になります。

◆感想◆

面白かったのは、第一勧銀の「呪縛」事件での立ち回りと合併銀行の特殊な人事制度の部分です。

事件のことを僕は全く知らなかったのですが、総会屋とのやり取りで命の危険を感じながらも徹底した対応をしていく江上さんを尊敬してしまいました。

人事制度の問題は合併しても合併前の銀行毎で人事を行うという全く非効率なものでした。現在はそのようなことはないかもしれませんが、東京三菱とUFJの合併でも似たような人事が行われるのではないかという話を聞きました。自分の目で耳で確かめたわけではないので、鵜呑みにしてはいけないとは思いますが・・・。

銀行にどうしても官僚組織的なイメージを持ってしまいます。この本は過去の銀行の姿にフォーカスされて書かれているので、そのイメージが強まってしまった感じです。そもそも一冊だけでは情報量が少なすぎですね(^-^;今、銀行がどうなっているのかを知るにはまだまだ勉強(本からだけでなく)が必要のようです。

ひょっとすると、銀行というのは、本来もの凄くリスキーで、刺激的な職場だといえるのかもしれないし、そのことを前向きに捉えるべき職種なのかもしれません。

江上さんの最後の言葉ですが、これが本当なら働いてみたいです(笑)

就職活動を始めるまでは、銀行に対していいイメージを持っておらず勉強することもなかったのですが、説明会やOBの人と話す中で最初から目を向けないのは良くないと判断しました。次は江上さんや高杉良さんの小説を読んで勉強してみます。

[本・読書ランキング]