Book Review’S ~本は成長の糧~ -30ページ目

「都市型シニア」マーケットを狙え!



著者: 山崎 伸治
タイトル: 「都市型シニア」マーケットを狙え!―新たな消費マジョリティーの実像
★★★★★★★★★☆


今まで紹介してきた本とはまたジャンルが違うので「変だな」なんて思われる方もいるかもしれません。っていないですよね(^-^;この本を読んだ理由は就職活動が関係しています。ある企業がきっかけでシニアを対象としたビジネスに興味が湧いたからです。


◆シニアに対する先入観を捨てるべき!?◆

これから増加していく高齢者世代に焦点をあてて書かれた本です。高齢者が増加し、ライフスタイルも多種多様になっているにもかかわらず、いまだに高齢者に対するマーケティングでは「シニア層」という一括りで片付けようとしています。しかし、その結果は惨憺たるもので、マーケティングが成功するケースは非常に少ないそうです。


本書では、シニアコミュニケーション社の取締役が作者です。この会社ではシニアを対象にして、様々な調査やサービスの提供をおこなっている、いわゆる「シニアのプロ」です。


日本は2007年に「団塊の世代」の1年生が引退して、急速に高齢者市場が賑わうことになります。また、日本は他国に比べて「高齢化社会」のステージに入るのが早く、ファーストモデルとして各国から注目を浴びています。


高齢者を「個人」として捉えるだけではなく、「夫婦」や「家族」といった複数形の消費者としての動向を調査している点が、興味深かったです。


後半では、シニアコミュニケーション社が運営している「STAGE【ステージ】」というサイトを利用者である夫婦にインタビューしています。生まれた世代別に夫婦を分類し、紹介されているのでそれぞれの違いがわかりやすくなっています。


データも豊富で、それをもとにした説明がされているのでとても読みやすかったです。「7つの消費意識」という面白いものがあったのですが、書くと多くなってしまうので、この人の別の本を読んだときに紹介したいと思います。


◆引用&コメント◆


「シニアは時間があるので暇なのだ」と誤解される方もいるかもしれませんが、実態は決してそうではありません。


会社を退職して、一日中自由な時間を持ったシニアの方たちはどういう行動を取るかというと、死ぬまでに残っている時間を逆算して、やりたいことを実行していくそうです。「あとこれだけしかない」という考えで行動するので、予定もぎっしり詰まっていて、「時間はあるけど暇ではない」シニアの方が多いそうです。


シニアの間では、世の中と関わっていたい、他者と関わっていたい、という気持ちが非常に強くあります。


この性質はシニアだけではなく、全ての人に当てはまることだと思います。シニアが注目される理由は、外部とつながる窓口が極端に減少してしまうからでしょう。「仕事人間」だった男性は会社を引退すると、妻しか身近な他者がいません。そこで、時間をかけながらボランティア活動に参加したり、趣味を広げたり、旅行をすることでつながりを広げていくそうです。「つながり・ネットワーク」に着目したビジネスのウケは若者よりもシニアの方が良さそうな気がしました。


◆夫は麺担当?!◆

約10組の夫婦が紹介されているのですが、その中に料理はあまりしないけれど麺を茹でるのは夫の仕事という2組の夫婦がいました。時間にきっちりしているから、麺の茹で加減は男性の方が上手だということでした。「男脳」と関係がありそうですね。

この本を読んで、かなりシニア市場への関心が高まりました。「おばあちゃんにインターネットを」計画もあるので、おじいちゃん・おばあちゃんのサイト作りをしたいなぁと思います(就職活動後ですが)

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ウケる技術



著者: 水野 敬也, 小林 昌平, 山本 周嗣
タイトル: ウケる技術
★★★★★★★☆☆☆



「バッドラック」を読んで、すっかり水野敬也さんのファンになってしまったので、前作も買っちゃいました。こっちはすでにベストセラーということで(「バッドラック」もいい線いきそうですね)ワクワクしながら読み始めました。

◆内容◆

えっと、かなり笑わせてもらいました。一番の感想は

こいつらバカだ!!


です。決してけなしているわけではありません!!
逆に尊敬するぐらい、褒めています!!
少なくとも自分には書けない天才的なセンスです。

*あー、タイムリミットです。面接終わってから続きを書きます。
 中途半端で申し訳ないです。

働く気持ちに火をつける



著者: 斎藤 孝
タイトル: 働く気持ちに火をつける―ミッション、パッション、ハイテンション!



最近は本当に斉藤孝さんのファンになっています(^o^)どういう点がいいのかなぁなんて考えていたんですが、まずはやっぱり読みやすいところですね。次に共感する部分が多いことも好きな理由です。

◆内容◆

タイトルの
ミッション、パッション、ハイテンション!


にあるように、この3つの要素について書かれています。

この3つを本に書かれている内容を本当に簡単に説明すると、

ミッション   … 期限内に期待のものをもたらすという「使命
パッション   … ネガティブな刺激をパワーに変える「情熱
ハイテンション … 上機嫌で「オープン」な身体、ハイテンポ

となります(あくまでも個人的解釈です)

この本のターゲットは若者という印象を受けました。特にフリーターやニートを意識した文章がいくつかあったので、「若者に元気を与えたい!」という作者の気持ちが伝わってきました。個人的には「新入社員論」と2冊読むといいんじゃないかと思います。

斉藤さんの本のどこがすごいと感じるかというと、すべての説明が自分の経験や有名人、書籍からの引用などで裏付けされていることです。

今回も長嶋茂雄矢沢栄吉宮沢賢治といった有名人を例に出したり、自分の辛い過去の経験を持ち出して説明されています。

ひとつひとつの技術は当たり前だと感じるかもしれませんが、具体的にどのような効果があるのか?どのようにすれば身に付けることができるのか?といった問いに答える形で書かれている本書は、理解しやすいと思います。

◆引用&コメント◆

社会の中での自由とは、束縛がないことではない。社会の中で、他社に働きかけていける技を一つでも二つでも持っていること、これが真の自由だ

この考え方は、社会だけではなくとも自由そのものに当てはまると思いました。束縛がないからといって自由かといえば、自由じゃないと思います。少しずれてしまいましたが、「年をとればとるほど自由になる」人間を目指している僕としては、技(テクニック)を一つでも多く身に付けてく必要があるなと再確認させてもらえました。

人間は、自分で自分をやる気にさせるよりは、誰かから期待されている、信頼されていることで、自分でも思ってもいない巨大な力が湧いてくるものだ

自分のために頑張るっていうのは、本当にエネルギーが要るものだと思います。自分でエネルギーを作り出して燃焼しないといけないから、すぐにエネルギー切れを起こします。やはり、「他者あっての自分」「多くの人によって支えられている自分」を意識することが大切だと感じました。

自分探しではなく、自分をアレンジしていくのが肝心だ

就職活動中ということもあり、自分探し(=自己分析)に悩む機会が多いです。自己分析はあんまり好きではないので、時間をかけえていないのですが、今まで取り組んでいても自分探しほど非生産なものはないという感想です。今ある自分が全てと思わずに、いつでも変化してやろうという軽い気持ちで生活することが生きる秘訣なんじゃないかと思います。

仕事というのは義務的な苦役ではなく、エネルギーを燃焼させる活性の場だと考えることが大切だ

まだ学生ですが、社会人になる1年後の自分に向けて送りたい言葉です。「仕事をいかに楽しむか」が人生の成功の最大のポイントと言っても過言ではないんじゃないかと、ひよっ子ながら考えています。仕事を楽しめなくなった時に、ぜひこの言葉を思い出したいですね。

ミッション、パッション、ハイテンション!」と叫んで(心の中でもOK?)
毎日を楽しく元気ハツラツに過ごしていきたいですね♪

先に読んだ本だけアップして、後から感想を書く形式になってしまっています。ややこしくて本当に申し訳ありません。急ピッチで感想を追いつかせるように、努力しておりますが、まだもう少し時間がかかりそうです。

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3月21日~27日

03月21日 69 sixty nine   ★★★★★★★☆☆☆

03月22日 新入社員論   ★★★★★★★★☆☆

03月23日 アイデアのヒント   ★★★★★★★★★☆

03月24日 話を聞かない男、地図が読めない女   ★★★★★★☆☆☆☆

03月25日 ウケるブログ   ★★★★★★★☆☆☆

03月26日 名前だけのITコンサルなんていらない

03月27日 さくら   ★★★★★★★★☆☆

さくら


著者: 西 加奈子
タイトル: さくら
★★★★★★★★☆☆



もう一度、中学生のころの文学少年の気持ちに戻ってみたいと思い、それに合った本を探していました。この本がそれにふさわしいかどうかは判断できませんでしたが、売れている本ということと帯の「あるちっぽけな家族に起こった、ひとつの奇蹟」という言葉で購入に踏み切りました。

◆内容&感想◆

帯の反対側に編集者のコメントが載っています。編集者なのに、「涙を流した」のがこの本がはじめてというのはどうかと思いましたが、その涙の理由が「哀しいから」「切ないから」といった言葉で表現できないものというものに共感しました。

つまり、
僕も泣いてしまいました

現在→過去→現在という流れで進んでいきます。過去がこの本の伏線であり、主題であり、見所であります。

正直な所、流れが変わるまでとても長くて中だるみの状態で読み進んでいました。しかし、物語がすごいスピードで変化していくくだりから、今までの部分がくっきりと色づき、存在を主張し始めます。

「理想の家族」

僕の目にはそう映るステキな家族の姿が描かれています。いつまでも仲の良い恋人のようなお母さんと、お父さん。人気者で数々の伝説を作り、みんなから愛されるお兄ちゃん。物語の語り手となる。ちょっぴり変な性格(その理由は本を読んでください)の。そして、さくら

家には団欒があり、笑顔が溢れ、幸福感に包まれています。こんな家族っていいな、って素直に思えるぐらい絵に描いたような幸せな家族像。

帯に書かれていた「奇蹟」はありませんでした。少なくとも僕が定義していた「奇蹟」は…。ただ、そこにあるもので、突然降って湧いたような出来事ではありません。それまでの日々の生活が家族の絆が生み出したものといった方がしっくりきます。

もしかすると、さくらの異変を奇蹟と言っているのかもしれません。

この本を読んで涙を流すかは、やはり人それぞれだと思います。しかし、涙を流す人は共通して妹のミキのように、ただただ目から涙が出てくることになるはずです。

◆その他◆

物語の中で、同性愛について触れられています。また、女性の方が視野が広いことと関連したエピソードも。「話を聞かない男、地図が読めない女 」に触れられていた内容とオーバーラップする部分があって、

読書ってつながっていくんだなぁ

って嬉しくなりました。たとえビジネス書と小説や全くジャンルの違う本同士でも、共通する部分が隠れていたりします。万遍なく読むことの大切さを実感しました。

想像できないような不幸が降りかかったり、自分の境遇が劇的に変化したり、彼女に振られたり、いろんなことで人は一喜一憂し、変化していきます。

だけど、
変わらないものがいつでも確かに存在していて、気付いた人は強くなれる

この本はそう伝えたいのではないかな、と思いました。

女性作家の文学はあまり読んだことがないのですが、女性らしい表現が今までに出会ったことのない新鮮なもので、新しい発見でした☆ただストーリー展開は王道を行き過ぎている気がしました…(^-^;

小説ってビジネス書のようにごっそり引用してコメントのような力技ができないので難しいです。ストーリーに出来る限り触れずに、感じたことを伝える練習は何かの役に立つかな(^-^;個人的な解釈ばかりですので、どの書評も軽い気持ちで読み流してくださいね(苦笑)

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ウケるブログ



著者: 高瀬 賢一
タイトル: ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ
★★★★★★★☆☆☆



このブログを始めてからアマゾンでの衝動買いが激しくなってきています。ネットショッピングの罠にはまりつつあるのか…。と、この本もブログに関する本を探している時にタイトル買いしてしまった1冊です。

◆内容◆

ウケるアクセスアップ

な本ではありません。(そういえば関西人はあまりウケるは使いません…)
そこを少し誤解して購入してしまいました(^-^;それでも内容には満足でした♪

読者が面白い、楽しいと思えるブログを書くにはどうすればいいのか?

ブログを書いている人なら一度は悩んだり、考えたりしたことがあると思います。この疑問に「考え方」と「実践」の2つのアプローチで答えてくれています。

著者の高瀬賢一さんのプロフィールを見て驚きました。1982年生まれということで、僕と1歳しか違いません。現役の東大生が株の本を出す時代ですが、最後まで読んでからこの事実を知ったので驚きました。

それは、学生が書いたとは思えないような整った文体で書かれていたからです。そりゃ人に文章の書き方を教える本の中身が、めちゃくちゃな文章だったらこんなに売れませんけどね(^-^;

◆私的勝手解釈◆

とても面白い本だったのですが、今回は引用紹介する文章を見つけるには至りませんでした。僕のセンサーが、まだまだ弱いせいかもしれません。精進します。

というわけで!この本から学んだことを少し書いて終わりにします(苦笑)

ブログを書くことは就職活動につながる?!

某採用コンサル会社さんが、就職活動中の学生を煽ったことでブログを書く学生が増えています。就職活動に役立つという謳い文句だったはずですが、確かに効果はありそうです。

それは読み手にわかりやすい文章を書く時には、具体性を出さないといけないことが大きく関係します。

つまり、その日の出来事を書くにしても作り話であっても、具体的に書かないと相手に伝わりにくいということです。具体性を出すためににはどうすればよいのか?それはエピソードをつけることです。エピソードはその人のオリジナリティを引き出す2次的な効果もあります。やっていることはまさに就職活動と一緒ですね(苦笑)

読み手あってのブログ♪

見られる相手を意識していないブログと言うのは、自分しかわからないような汚い字で書くメモに似ているのかもしれません。自分で言いながら少しずれているかなぁと不安なんですが、要は読み手が理解するのに多大な労力を消費するということですね。

過去に紹介したブログ関連の本でも書かれていたのですが、相手を意識したブログの書き方は大切ということです。たとえ1人でもいいから、この文章で笑わせてやる!なんてつもりで書くだけでも効果ありですねヾ(〃^∇^)ノ

脱線気味になってきましたので、最後にこの本を手短に紹介して終わります。

ブログだけでなく日頃の文章の書き方にも、とても参考になるテクニックが盛り沢山の1冊です

なんかテレビショッピングの宣伝みたいになってしまって怪しいですが、文章書くのが下手だなぁなんて悩んでいる人にはオススメですよ☆

最近、まとまった時間を確保できずに読みやすい本から消化していっています(>_<)みなさんに紹介してもらった本もかなりの数購入しているので、コツコツ読んでいきます。気長にお待ちください(苦笑)

1からわかるおもしろ日記の書き方~326式日記講座
著書『ウケるブログ』について 日記の書き方講座…326style.com

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話を聞かない男、地図が読めない女



著者: アラン ピーズ, バーバラ ピーズ, Allan Pease, Barbara Pease, 藤井 留美
タイトル: 話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
★★★★★★☆☆☆☆



この本は彼女に薦められて読むことになりました。

お互いがうまくやっていくのに役立つから

って感じのことを言われた気がします。

◆ケンカの絶えないカップルにはオススメ?!◆

ベストセラーとなった本だけあって、面白い内容でした。特に、最近僕の中で脳科学がブームなので楽しく読むことができました。ただ残念だったのが、繰り返しの内容が少し多かったことです。

男脳女脳という今までの男女の違いにを語るにはなかった概念で書かれています。この価値観が多くの人に根付けば、より男女の相互理解は進むかもしれないなと思いました。

特に恋愛において効果が抜群だと思います♪実際に、具体例もカップルや夫婦のエピソードが大半です。これをカップル二人とも読んだら「痴話ゲンカ」は少なくなりそう?!

ただ、これを頭で理解したとしても口論になって興奮しているときに、頭に男女の脳の違いで浮かぶことはないでしょうが・・・。

男脳・女脳テストは面白かったです。僕のスコアは120点。男脳寄りですが、なんか中途半端な感は否めないです(^o^;ちなみに150~180点が男脳・女脳のバランスが取れている範囲だそうです。

本だけではなく、似たようなテストができるサイトがありました。

男脳女脳診断

男の人が女脳寄りだとゲイになる可能性が高く、女の人が男脳よりだとレズになる可能性が高いそうです。結果をあんまり真剣に受け止めない方がいいかもし知れませんね(笑)

同性愛についても科学的な見地から書かれていました。胎児の間にホルモンの量によって男の体でありながら女の脳を持ってしまうこと、またその逆もあることなどが書かれていました。

<storng>テストステロン</storng>(男性ホルモン)と<storng>エストロゲン</storng>(女性ホルモン)の働きによる男女の違いについての解説も「なるほど!」と唸るものもあって面白いです。

◆思わず頷いてしまった解説たち◆

僕がこの本の中で「あーそれ当たってるかも」って共感したものをいくつか紹介したいと思います。あくまで紹介だけで、詳しい解釈は読者のみなさまにお任せです(^o^)

(採集生活の中で)女は左右の手が同様に使えた方が効率的だったため、
右と左の区別があまりつかない。


車のナビゲーターをしている時、女は右に曲がらないといけないのに、
「左に曲がって」というミスをよくしてしまう。


登場人物のボディランゲージや微妙な感情表現を男は読み取るのが苦手

ドラマのCMのたび、男は話の展開や人間関係について女に質問攻めをする。

女は一日で足りなかったコミュニケーション量を消化している時や、
悩みについて話すのはストレス軽減策にすぎないことが多く、
口をはさまれることも解決策を提示されることも望んではいない。
男は女が解決してほくて話していると思い、解決策を提示し満足する。


男は話を聞いているふりをするだけでいい。

男が失敗を認めることは敗北を意味すると脳にインプットされている。

道に迷っても、女と一緒のときは人に道をたずねようとはしない。


◆その他◆

「今や人間の体は時代遅れになりつつある」

このコメントを見たときに、「進化しすぎた脳 」のことを考えてました。
「進化しすぎた脳」では体が脳の機能を制限していること。人間が環境に適応するのではなく、環境を二元に合う様に作り変えているというくだりがありました。そのことを同じことを指摘している気がしました。

◆読書クイズ◆

1.人間の恋の季節はいつ?

男と女の脳の違いが、ほとんど「言語」と「空間」についてだけで語られていたのが残念でした。それでも充分楽しめましたが。脳に関する本の面白さは新しい発見です。

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アイデアのヒント



著者: ジャック フォスター, Jack Foster, 青島 淑子
タイトル: アイデアのヒント
★★★★★★★★★☆



現在、とむっぴさんのオススメ本の火の粉を読んでいるのですが、どうも1日で読み終えるのは難しそうなボリュームで違う本を読もうと困っていました。東京に行っていたので、家に大量にある未読本から選ぶことも出来ずに困っていたら、新橋でキヨスクがバーゲンセールをしていました。そこで、手にしたのがこの本です。

◆内容◆

アイデアのヒントというタイトルそのままに、いろいろなアイデアを思いつくための方法や心構えが書かれています。帯にも書かれていたのですが、作者はキャリア40年のベテラン広告マンです。そして、広告に関する授業の中で「アイデアの出し方」を教えて欲しいという学生のリクエストに応える形で授業をしたのがきっかけのようです。

すでに広告業界やクリエイティブな思考のコツを掴んでいる人にとっては、知っていることを説明されていると感じて面白くないかもしれませんが、それでも再確認するということで読んでみてもいい作品だと思います。

前半では、アイデアを生み出すための心の準備について書かれています。一番印象的だったのは、「子供になる」でした。「知りたがり」も「質問攻め」もつまりは「子供」なら意識しなくてもできると思うので、この「子供になる」が一番大切な気がしました。

後半では、実際にアイデアを出していくための手法が紹介されています。

この本を面白い!と思えた一番の理由は、作者の経験や有名人の言葉が頻繁に引用されているところです。説明した上で、それを裏付ける具体例を出してもらえることで、読み手にとってイメージしやすく理解が深まるようになっています。

手元に置いておきたい1冊です。

◆引用とコメント◆

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」

これは作者の言葉ではなく、ジェームス・ウェブ・ヤングのアイデアを説明した言葉です。僕はこの言葉を作者が一押ししているのを読んで、飛び上がるほど嬉しかったです。僕は0から創り出すというスキルがないし、その方法も全く知りませんでした。そのため、いつもアイデアは何かと何かをくっつけて出していたのですが、本当のクリエイティブはやはり無から有を産み出すことなのかなぁ、と自信を持てずにいました。これで今日から僕もクリエイティブの仲間入りです(すいません、冗談です)

「子供はクエスチョンマークとして学校に入学し、ピリオドとなって卒業していく」もう一度、クエスチョンマークになろう。

衝撃的でした。子供から大人に成長していく中の変化を指摘した言葉ですがこれほど上手い比喩表現はないと思います。常にクエスチョンマークな自分でいる
ことは、とても大切な気がしました。ついつい知ったかぶりをしてしまう、安っぽいプライドを持った僕は特に気をつけたいです(^o^;

創造には枠組みが必要だ

これはクリエイティブな仕事(キャッチコピーや発明など)以外でも言えることだと思います。例えば、マーケティングはターゲットを絞れば絞るほど戦術をたくさん思いつくことが出来るようです。あまりにも漠然とした課題だと、どこから手をつければいいのか、切り崩していけばいいのかわからないということですね。

たくさんやるだけ、たくさんのことができる少ししかやらないと、少ししかできない

週末に家でのんびりと過ごしている時に痛感します。時間がたっぷりあるからゆっくり片付けていこうなんて思っていると1つも終わらないままに夜になっていることはよくあります。逆に忙しい時ほど頭は活発に働いていて1つ1つの仕事のスピードが速くなるし、アイデアもよく思いつけます。無謀でも欲張りの方がいいんでしょうね(^o^)

最後に心に残った言葉の中でも一番のものを載せておきます。詩人エマソンの言葉のようです。

情熱なしに成し遂げられた偉業はない


この本は本当に、基本的なことから「アッ」と驚くものまで様々なアイデアのための教えが詰まっていました。この作者も一目置くヤングさんの「アイデアのつくり方」を読んで、さらに理解を深めたいと思います。最近読みたい本が多すぎます・・・(^o^;

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新入社員論



著者: 田中 圭介
タイトル: 新入社員論
★★★★★★★★☆☆



新入社員になってからのことを心配するよりも、社員として雇ってくれる会社(内定)もないから、そっちの心配しろよって状態なんですが読みました。田中圭介さんご本人がオススメしてくれました♪オススメの本を読むって自分で選んだ本とは違ったワクワクがあって好きです。

◆内容◆

帯に書かれている言葉にまず惹かれました。

かっこいい社会人になろう。

僕の目指す社会人です。でも、具体的にどういう人がかっこいい社会人なのかわかっていません。わかっていないけど、かっこいい社会人を目指したいです(^o^;

これから新入社員になる人という明確なターゲットに向けて書かれているので、わかりやすいし、読みやすかったです。そして、好感が持てるのが新入社員となる人だけではなく作者自身にも言い聞かすように書かれていることです。この点については賛否両論分かれそうですね。

第1章 社会人について
第2章 仕事について
第3章 人間関係について
第4章 プライベートについて
第5章 将来について


というとてもシンプルな構成で進んでいきます。個人的なオススメは第3章です。

この本の良さはやはり新入社員の方が書いていることにあると思います。就職・採用コンサルタントの書く本はどれも似たり寄ったりです。それでいて読み手を悲観的にさせるのを楽しんでいるような内容です。しかし、この本はまさに「勢い」で書かれていて、生意気だと自覚しながらも(作中に作者が自分で書いています)メッセージを伝えてくれることに親近感が持てます。

仕事をすること、社会人になることに希望を持てない人や不安で頭がいっぱいの人はこの本を読むと、頭の切り替えが出来るかもしれませんヾ(〃^∇^)ノ

◆引用とコメント◆

誰も自分一人で生きているわけじゃない。相手があって、様々な人達が自分の周囲にいるからこそ、自分が存在しているんだという気持ちになる~(中略)~自分勝手に、相手の考えていることも汲み取らない考えをしている人は組織に向いていないと僕は思う。

新入社員の仕事は何だよ?と思うだろう。答えは「会社に新しい風を送る事」と僕は考えている。

「相手の立場に立って、相手を理解すること」
「理解されるより、理解しよう」
「相手のことを理解しようとするから、自分も理解してもらえる」


君が本当に「いい人間関係」を構築したいと思っているなら、「自分の目の前にいる人を大事にする」ということを肝に銘じたほうがいい

あとがきで、「いつか機会があれば、これを読んでくれた人と一緒に、将来何らかの形で仕事が出来たら最高だと思う。」と書いていました。そういう偶然のようでいて必然な出会いによってつながれたらステキなことだなって思います。

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69 sixty nine



著者: 村上 龍
タイトル: 69(シクスティナイン)
★★★★★★★☆☆☆



今頃かよ!」なーんてツッコミをされそうですが、読みました。BOOK OFFでたまたま発見したのですが、未だに250円でした。映画化ってこんなところにも影響が出てるんですねぇ。村上龍さんの作品は初めて読みました。

◆感想◆

あらすじって感じで紹介した方がいいのかもしれませんが、あらすじは映画も出てるので、いろんなところで書かれているだろうってことではしょらせてもらいます。

舞台となる1969年なんて遠い昔で、僕が生まれるのもその14年後です。当時の旬な話題も社会の状況も全然知らないままに読み始めたので新鮮でした。この作品は村上さんの自伝を意識して作られたそうです。主人公のケン坊が昔の村上さんだと考えると、売れる面白い本を次々と書いてるのも納得でした。

17歳という青春真っ只中の少年少女の織り成す物語は、明るく楽しい雰囲気で書かれています。何が正しくて、何が悪いなんか明確に判断することはできない、でも何か許せない、反抗したいそんな微妙な17歳の心理が描かれているかと思えば、美少女に気に入られようと目立つためにバカなことをやっちゃったり…。

こんな高校時代を過ごした人は、特に昔はたくさんいそうですね。1969年というエネルギーがいっぱいの自然と気持ちがワクワクしていくような世の中。綺麗な物も汚いこともいろんなものが混ざり合った混沌の世界。でもそれは「昔はよかった」なんて言葉で済ませるものではなくて、今を生きてる自分たちが何とでもできるって言われた気がしました。

上手く説明できないのですが、「昔は昔、今は今」なんて割り切ってしまうのではなくて、もっとシンプルな思考でワァーってやっちゃえばいいんだなって(笑)

随所に散らばる「~というのは嘘で」というのに、初めは読み慣れなくて疲れていたんですが、後半なんてこのフレーズが出てくるのが楽しみで仕方ありませんでした。

◆心に留めておきたいフレーズ◆

暗く反省しても誰もついてこない
ケン坊は暗い人間のことを上手く表現しています。「暗い人間は他人からエネルギーを吸いとって生きるから始末が悪い」なんて「おーっ」って感心しました(笑)僕はちょっと(いやかなりか)根暗な性格なんで、気をつけないとみんないなくなっちゃうなぁなんて呑気に思っちゃいました(^-^;

1960年代の終わりに充ちていたある何かを信じていて、その何かに忠実だったのである。その何かを説明するのは難しい。
これは決して60年代だけではなく、今の時代もあるような気がします。60年代なら60年代の90年代だったら90年代の、そして今は21世紀初頭の。それは言葉で説明するのが難しかったり、できたとしてもそれは随分時間がたってしまったりして、掴み所のないものの気がします。でも、それがあるからこそ世の中を面白おかしく生きられるのかなぁとも思います。

楽しく生きるためにはエネルギーがいる。
あとがきで村上さんが書いていたものです。この作品はこのメッセージを伝えるためだけに書かれたのかも、って思いました。楽しく生きるってほんとにエネルギーがいることで、それに疲れた人が楽しく生きる人の足を引っ張ってもっともっとエネルギーが要るようにしていたり…。それでいて、楽しく生きてる人間が集まるとそのエネルギーは何倍にも膨らんだりして…。なんて化学式では証明できない複雑な何かが潜んでいそうです。

◆読書クイズ◆*少し苦しいクイズですね(^-^;

1.バリ封での一番の見所は?
2.体制への反抗には何をする?

村上龍さんの作品をこの本から読んだことが吉と出るか凶と出るかはわかりませんが、とにかく面白かったです。映画も落ち着いたら見てみたいなぁなんて思います。

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